「美容師」と「理容師」の違い

「美容師」と「理容師」の違いとは?

分かりますか?

どちらも「髪の毛をカットする職業」というイメージですが、身につけている技術、提供できるサービスも違います。

 

仕事内容の違い

■美容師の仕事は「パーマネントウエーブ、結髪、化粧などの方法により、容姿を美しくすること」と美容師法(第2条第1項)に書かれています。
■理容師の仕事は「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」と理容師法(第1条の2第1項)で定められています。

簡単に言うと、「美容師は容姿を美しくするのが仕事」「理容師は容姿を整えるのが仕事」ということです。

 

美容師はパーマをかけることができますが、理容師はパーマをかけることができません。ヘアスタイリングや着付けなども美容師の仕事の範囲です。

一方、理容師には顔剃りが認められていますが、美容師はカミソリなどの刃物を直接肌に当てて顔を剃ることが原則認められていません。

 

国家試験について

 

2種類の法律があることからもわかるように、美容師免許と理容師免許は別々の国家資格です。

なので、美容師になりたいなら美容師の勉強を、理容師になりたいなら理容師の勉強をしなければいけません。

美容師・理容師の国家資格を取得するには、厚生労働大臣が指定する理美容の養成施設を卒業し、国家試験に合格する必要があります。

(誰でも試験を受けれて、誰でも髪の毛を切れるわけではありません。)

実技試験は、

■美容師の試験ではカットの他にワインディング(頭髪にロッドなどを巻く作業)やオールウェーブセッティング(ウェーブをかける特殊なセット作業)があります。

■理容師の試験ではカットに加えてシェービング(顔のひげやむだ毛などを剃る作業)と整髪の基礎技術が試されます。

美容師・理容師の国家試験には筆記と実技の試験があり、筆記試験では関連する法律、物理や化学の知識、美容・理容の理論や使用する器具などが問われます。

 

試験の合格率は美容師が平均して60~80%程度、理容師がやや低めで50~70%といったところ。どちらも試験に合格したら、免許を申請・登録することで正式に美容師・理容師として働けるようになります。

 

近年の受験者数

 

■美容師、10000人〜20000人

■理容師、1000人〜2000人

となっていて、美容師の方が10倍ほど多くなっています。

 

どちらの職業も給料や待遇はほとんど変わりません。

理容師は、美容師よりも数が少ないため、そのぶん需要も高くなります。

 

が、実際は、美容院・美容室だけにとどまらず、結婚式場のヘアメイクアーティスト、エステティシャン、ネイリスト、各種撮影現場でメイクやスタイリングを担当するスタイリストなど、多方面で活躍できる可能性がある美容師を選ぶ人が多い印象です。

ちなみに、美容師免許と理容師免許は両方取ることができます。

どちらか一方の資格があるともう一方を取得できないということはありません。